Visiting Paris in Autumn


秋ですね^^
秋と言えば…パリ。パリと言えば秋。
そんな図式が勝手に出来上がっているぐらい
私は秋になるとパリに行きたくなります。

リュクンサンブールに行かなくては…!
という理由のない焦燥感にも駆られます。
子供の頃からです。なんでしょうね。未だ謎です。


そんな私が「秋のパリTODOリスト」を作成しました。
秋はアカデミックになりたくなる時期。
パリ初心者も大満足の歴史探訪になるはずです。





秋のパリといえば、美しく色づく公園。
市民の愛する歴史的にも重要な公園の数々。



1.Jardin du Luxembourg(リュクサンブール公園)


言わずと知れたパリ市民憩いの場。
本来は宮殿に付属した庭園ですが、公園として有名です。
秋の紅葉の季節はひときわ美しく、映画『男と女』のテーマ曲や
アコーディオンが常時流れていそうな錯覚がするほど、パリらしい風景が堪能できます。
無駄に愛を語らいたくなりますのでご注意。




2.Jardin des Tuileries(チュイルリー公園)



ここもリュクサンブール同様、本来は宮殿に付属した庭園ですが、
公園として市民に親しまれています。
16世紀にカトリーヌ・ド・メディチの命で建設が始まり
17世紀に完成した宮殿自体は焼失し、今は公園のみが残っています。
鉄製のベンチは昔から絵画にも描かれていたほど、パリ市民にとってはお馴染みの場所。


3.Parc des Buttes-Chaumont(ビュットショーモン公園)



こんな場所があるなんて知らない日本人も多いと思いますが、19区とかなり郊外に位置する渓谷型の公園。
自然の形かと思いきや、ちゃんと造園家が19世紀に作ったものです。
中世フランス貴族の俗っぽい趣味というか…人工の洞窟や池に切り立った島があり、
何故かギリシャ神殿が建っています。(私はそういう悪趣味なの大好きだけど)

それでも最も高いところからはパリが眼下に一望できる、秋深まるフランスの田舎をパリで体験できる貴重な場所。





芸術の秋。でもルーブルやオルセーはパリが空っぽになる夏に回して
秋は出来るだけ、パリの暮らしや人の温もりを感じるような場所へ。


4.Musée Zadkine(ザッキン美術館)


モンパルナスにある彫刻家ザッキンのアトリエを美術館にした素晴らしい空間。
芸術家にとってアトリエは創作意欲を掻き立て、またインスピレーションの邪魔にならないなど
ありとあらゆる条件が整った、ごく洗練された場所です。
作品が生まれた場所でその作品を鑑賞する。本当の贅沢を味わえます。



5.Musée du quai Branly(ケ・ブランリ美術館)


7区に新しくお目見えしたパリの新名所。
新しくと言っても10年前。パリの他の美術館は世紀を跨いでいるので…。
前シラク大統領が「芸術に於ける西洋中心主義からの脱却」という
先進的で自由なパリジャンらしい視点で建設した
マイノリティな民族や部族の芸術を中心とした民族博物館。
有名建築家ジャン・ヌーベルによる建築も話題になりました。
今最もHOTなパリの美術館です。
私とか、こういうものが好きな人は一日居ても飽きないかも。




6.Musée Jacquemart-André(ジャックマール・アンドレ美術館)


至高の芸術と共に生活した世界でも類い希なる芸術収集家夫婦の家がそのまま美術館になっています。
とても純粋で強い愛情で結ばれたジャックマールとアンドレの夫婦は、
時にはルーブルの予算を上回る程の資産で西洋の素晴らしい絵画を収集し、
自らの邸宅に飾り共に暮らしました。
高名な画家であった妻とその夫の芸術への情熱はひたむきで聡明なものだったようです。
当時の生活がそのまま残された館内と、冬の庭園と呼ばれた温室もまた見所です。




7.L’atelier Brancusi(アトリエ・ブランクーシ)



意外に気付かれない…ポンピドゥーの隣にひっそりと建つ
彫刻家ブランクーシの美術館。
彼のアトリエからそのまま移したという形で、
レンゾ・ピアノが彼のアトリエをこの場所にそのまま再現しました。

彼の作品はひとつひとつが、というより、
それぞれの配置や道具の置き方など全てをしてひとつの作品、
といった考えのようです。実際に見ると納得するでしょう。
光を含み密やかに内側から発光しているような彼の作品は、
この光溢れる空間でひとつの世界を構築しているのです。





8.Musée National Gustave Moreau(ギュスターヴ・モロー美術館)



入って吃驚、モローの作品ぜんぶ乗せ!みたいな美術館。
なんと画壇デビュー前から
「芸術家としてどうあったか、夢想していた境地がどんなものであったか」
を残すために作品世界をひとつにまとめる構想を練っていたそう。
そしてデビューの年に移った家をその場所に決定。
私達はモローが1800年代に描いた芸術家としての夢を今目に出来るのです。
それにしてもものすごい意志力。

そしてとても自由に見て回れるようになっています。
自分で棚から引き出して見たり…斬新!!!
芸術と人生が一枚のタペストリーに織り込まれているような素晴らしい空間。





9.Muséum National D’histoire Naturelle(自然史博物館)


ここは有名ですね。
「進化の大行進」で一躍スターダムにのしあがった?パリの自然史博物館です。
秋深まるパリの静かな平日の朝、まだ人もまばらな館内で
同じ方向に向かって歩いている姿の動物たちの剥製をうっとりと眺めながら
その進化に思いを馳せる…のもいいですが、
実はこの博物館には私の好奇心を掻き立てる更なる展示があります。
それは鉱物学と地質学のギャラリー。
すごいんですよ~その原石の白亜感とか17世紀のコレクションとか…
え?興味ないですか?そうですか…。






芸術を堪能した後はホッと一息、お茶の時間です。
流行の新しいお店も沢山あるパリ。でも秋は過去を愛でる時間。
歴史を感じる王道の場所でアカデミックにお茶をしましょう。



10.Café le Jardin du Petit Palais(カフェ・ル・ジャルダン・ド・プティ・パレ)




あの1900年の伝説のパリ万博会場、プティ・パレ。
今は美術館となっていて、その中庭に面した回廊がカフェになっています。
うっかりするとピアノの生演奏とか始まってしまうぐらいのリュクス感。
場所の歴史と云い、アカデミックです。
パリ万博は動く歩道とか登場しましたからね。
その時の人間になって驚いてみたかったです。
秋の中庭は、青々とした時期とは様変わりしてまた美しいです。

本会場のグランパレはお向かいにありますので、セットでどうぞ。




11.Le Nemours(ル・ヌムール)


ザ・クラシック・パリ!!!!のカフェです。
テラス席がメインの意外とカジュアルに使えるカフェ・バー。
最近では映画『ツーリスト』の冒頭で
アンジェリーナ・ジョリーがここで朝食を摂っていて話題になりましたね。
パレ・ロワイヤルの入口に位置していて且つ屋根もあるので、とても便利です。
パリって…たまに入るのに気後れするようなお店がありますが、ここは入りやすいかも。
目の前にはジャン=ミシェル・オトニエルの作品である地下鉄の入口「夜遊び人たちのキオスク」があります。
パレ・ロワイヤルには最近『カフェ・キツネ』も出来ましたが、そちらは春にオススメのライトなカフェです。
やっぱり秋は落ち葉舞う木枯らしの中、クラシックに決めたいところです。




12.Café Marly(カフェ・マルリー)





言わずと知れたルーブル美術館内のカフェ。
行ったことのある人も多いかもしれませんが、オススメは人もまばらな遅い時間。
なーんと深夜2時までやっています。
ディナー後やショーを見た後に、中庭を見ながら一杯…最高です。
店内もとても美しく歴史的で有名ですが、
やはりパリの空の下に輝くガラスのピラミッドを見ないテはありません。
テラス席は優雅ですが、秋の夕方のパリは結構寒いので、
寒がりの人は防寒対策をして行ってみて下さい。その価値はあります。
全然関係無いけど私はここのロゴが好き。





13.A Priori Thé(ア・プリオリテ)



店名は「priorité(優先順位)」と「Thé(お茶)」がかけてあります。
お茶が最優先!てことですね。
世界の何処でも見られる言葉遊び…ていうかハッキリ言ってダジャレ…好きです。
何故ここかというと、19世紀にパリで流行って次々と出来たパサージュ内の中でも
最も美しい Galerie Vivienne(ギャルリー・ヴィヴィエンヌ)にあるから。
中央広場の角には創業当時からある有名なジュソーム古書店(1852年創業)もあり
なかなかにアカデミックです。
このパサージュは明るく綺麗で「ザ・パリ!!!」という雰囲気に
胸焼けがしてきたときに使えます。雨の日にのんびりするのもOK。
しかも紅茶専門店なので、
パリのカフェでティーバッグのお茶にうんざりな方にもうってつけです。
私はパリの重厚さに少し疲れると行ってしまいます。笑

Le Galerie Vivienne | http://www.galerie-vivienne.com/



14.Le Villafe(ル・ヴィラージュ)


最近シャンゼリゼに出来た「ル・ヴィラージュ・ロワイヤル」内のカフェ。
ここは歴史的な場所でありながら、
近年改装され高級ブティックが並ぶ小さな広場になりました。
17世紀にルイ13世がマスケティアーズ(銃士隊)の為に改築し提供した宿舎、拠点でした。
BBCで放送していた三銃士のドラマがあるのですが、
そこでいつも銃士達がたむろ?している宿舎ですね。
なぜBBCが三銃士?(全員英語喋ってるし)…というところはさておき、
歴史に想いを馳せるのは思索に耽りたくなる秋の醍醐味。
シャンゼリゼって有名だけど、なんだか長いし広いしあまり落ち着かないのですが、
ここはポケットのような空間になっていてホッと出来るので、歩き疲れたらどうぞ。






さて、駆け足で見てきましたが、秋に行きたい場所はありましたでしょうか?
パリのおいしい、素敵なレストランは星の数ほどあるので今回は省きますね。
私がパリに行っていつも感じることのうちのひとつに、
パリのレストランはサクッと食事する場所ではないということ。
でもご紹介したカフェはどこも美味しくて、
日本人なら十分、というか残してしまうぐらいのボリュームの食事も出来ます。
是非ランチや軽い夕食に使ってみて下さいね。

それでは、みなさまも素敵な秋の日々をお過ごし下さい。

A bien tôt♪♪♪




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