他の国の人から見れば、日本といえば…
お寺に着物に、テクノロジ−、キャラクター、それから美味しい日本料理。
と連想されることが多いのではないでしょうか。
ではそれがタイなら?
日本人の大好きなタイフード、屋台犇めくバンコクのストリート。
沢山のお寺に、雄大な自然。
どちらかと言うと猥雑で活気溢れる街角か
アジア特有の熱帯季候が生み出す重厚で鄙びた良さが目につくかもしれませんね。
でもどこの国にも、
新しいことをしたい、という若々しい野心に溢れたプロジェクトが存在します。
Yellow Submarine Coffee Tankは
そんな活力の中から生まれた新しいタイプのコーヒーショップ。
バンコクから車で3時間。
静かなマホガニーの造成林の中で
32メートルの細長い黒曜石のように静かに輝いています。
1.6キロ四方の敷地には、
アプローチとして熟考されたスロープが砂利の中に配され、
店に向かう者は、砂利を踏みしめる自分の足音が
静かな林にこだまするのを聞きます。
かくいうワタクシも学生時代から、
建物へのアプローチは体験の導入部として欠かせないものだと思っていたので
こういった構造はとても好き。無駄に歩きたくなってしまいます。
店舗はいくつかのエリアに分かれます。
最も目を引くのはキッチンに面した、セミオープンエアのカウンター席。
3メートルの高さの天井は、暗くすることでより高く思わせ
そこにスリットのような細い窓を持たせることで、開口部から天井へのグラデーションを図り、
よりナチュラルに明かり取りの役目も果たしています。
同じく細長い箱庭には、平均棒のようなアイアンのテーブル。
特筆すべきは砂利に点在するマホガニーの若木。
木々が作り出す無作為な動線に身を委ねれば、
まるで小さな林の中にいるような心地になります。
タイですからね。
もちろんエアコンが完備された席もあります。
他のスペースとの調和を図り、敢えて下部の開口部のみというディテール。
リズムを崩しません。
営業が金曜日のみ、というのもとても素敵です。
ここに来るために時間を割くゲストだけが享受できる時間。
その分珈琲も、丁寧に淹れられるのだろうなあ。
こういうお店、信州あたりにあったら素敵だな〜
なんて夢を見るワタクシでした。
Yellow Submarine Coffee Tank
Mu Si, Pak Chong District, Nakhon Ratchasima, Thailand
+66 96 981 0682
営業時間:金曜日 9〜19時
Image sorse : ARCH DAILY © Ketsiree Wongwan